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2006年12月20日(水)

今日、WBA世界ライトフライ級チャンピオン亀田興毅(20歳・協栄ジム)が、同級1位のファン・ランダエタ(28歳・ベネズエラ)との初防衛戦に臨む「亀田のけんか祭り」が有明コロシアムで行われた。

亀田興毅伝説!! ~浪速乃闘拳 世界への軌跡・第一章~「亀田興毅」対「ファン・ランダエタ」は、今年8月2日以来の再戦である。

前回の試合で、亀田興毅は、1ラウンドでいきなりダウンをもらい、11ラウンドで必死にクリンチするの姿が非常に印象的だった。そして、それでも亀田興毅は、2対1と微妙な判定でファン・ランダエタに勝利した。

この微妙な判定はかなりの批判を呼び、亀田興毅やその関係者に対し度重なるバッシングがあった。「疑惑の判定」「八百長試合」という言葉が世間に蔓延していた。

以下続き

試合前の様子

ロード』で有名な歌手高橋ジョージの呼び出しにより、亀田興毅とファン・ランダエタが入場した

クリスマスが近いからか、亀田興毅はサンタの格好で現れた。スポニチの記事によると髪型は黒人ボクサー(マイク・タイソンシュガー・レイ・レナード)をイメージしたようである。分かりやすく言うと、モヒカン刈りにしてパンチパーマをかけた感じだ。とてもかっこいい。…なんて俺には言えない。

日本とベネズエラ、両国の国歌がそれぞれの国の代表歌手により歌われた。はじめは、コロンえりかさんというベネズエラ生まれの日系美女によるベネズエラ国歌の独唱。

コロンえりかさんは、前回もファン・ランダエタ側の国歌を歌った人物である。非常に伸びやかで美しい歌声だった。でもやっぱり曲は長く感じた。

続いて、芸能界の女番長こと和田アキ子による日本国歌の独唱。相変わらず男らしい声だったが、声が震えているように聞こえ、かなり緊張しているのではないかという印象を受けた。

亀田興毅VSファン・ランダエタの試合の解説

さて、俺なりに亀田興毅VSファン・ランダエタの試合の解説を(亀田側から)してみる。

第1ラウンド
お互いに様子見という感じ。前回とは違い、亀田興毅の動きは軽かった。亀田による挑発が目立った。
第2ラウンド
またも亀田はランダエタを挑発。足をバタバタさせて相手を誘う動作を繰り返す。でも、調子に乗ってやりすぎて審判に怒られちゃう。そして、俺は思わず笑っちゃう。
第3ラウンド
反時計回りに回り、距離をとりながらジャブを打つ。ランダエタにボディーをちょこちょこ打たれていた。
第4ラウンド
ショートパンチがランダエタに何発が入っていた。
第5ラウンド
亀田の左ストレートが3発ほど入っていた。ただし、ダメージはさほどなさそう。
第6ラウンド
左手を大きくぐグルグルと廻し、ランダエタを挑発。足を使って、ランダエタのパンチをなかなか当てさせないようにしていた。
第7ラウンド
亀田がランダエタのボディーを連打。ラウンド終了間際に、お互い左手をクイクイを動かし、「掛かって来い!」というような挑発をしていた。
第8ラウンド
亀田がプレッシャーをかけながらランダエタをロープに追い詰め連打。
第9ラウンド
亀田はランダエタにボディー攻撃を少し喰らっていた。
第10ラウンド
亀田はランダエタをロープに追い詰め連打。カウンターを何度かうまく合わせていた。サルが「ウキキーっ!」てやるような ふいんき(←なぜか変換できない)で両手を小さくクルクル廻して挑発。時計を見て残り時間を確認する余裕も見られた。
第11ラウンド
亀田はランダエタをロープに追い詰め連打。結構効いてそう感じ。その後の小さいながらも連打を当てていた。カウンターで左ストレートも入れていた。
第12ラウンド
ラウンド開始直後に、ランダエタが両手を差し出す。亀田は下から片手で「パーン!」と打ち上げるように拳を合わせた。亀田はランダエタをコーナーに追い詰め連打。頭を下げて突っ込む亀田に減点1が入る。

亀田興毅VSファン・ランダエタの判定結果

「115-113(イギリス),116-111(南アフリカ),119-108(アメリカ)」と3対0の大差判定で、亀田興毅はファン・ランダエタに勝利し、初防衛に成功した。

結果は前回と同じ判定勝利ではあるが、内容は全然違った。亀田は、ランダエタに、ほとんどいいところを出させることなく勝利したのだ。

これは、亀田が華麗なフットワークで距離をとり、「殴っては下がり、殴っては下がる」というヒット&アウェイ戦法を行い、ジャブすらほとんど当てさせなかったからだろう。

前回、亀田はベタ足でじわじわ前につめるファイター・スタイルだったが、今回は足を使うアウトボクサー・スタイルに変更した。踏み込みスピードのある亀田興毅にはアウトボクサー・スタイルの方が向いてる気がした。

亀田興毅VSファン・ランダエタの採点表

カイズ審判(アメリカ)の採点表
R123456789101112総合
亀田10101010101010101010109119
ファン999999999999108
オコナーズ審判(イギリス)の採点表
R123456789101112総合
亀田91099101010101010108115
ファン10910109109999910113
クリストドーロー審判(南アフリカ)の採点表
R123456789101112総合
亀田91091010101010910109116
ファン109109999910999111
ごんた主観の採点表
R123456789101112総合
亀田91091010101010910109116
ファン109109999910999111

1,2,4,8,9ラウンドは、どちらにポイントをつけようか迷った。5,7,10ラウンドは、確実に亀田がとったなという印象を受けた。

偶然にも、俺の採点結果が、南アフリカのクリストドーロー審判と全く同じ採点結果になっていた。アメリカのカイズ審判の採点結果は納得しづらいところがある。

試合後の亀田興毅の様子

亀田興毅の試合後の最初のコメントは、前回と同じで「どんなもんじゃーい!」だった。そして、「ランダエタも、よう頑張ったよー。」などと強気なコメントが続く。

しかし、「プレッシャーは感じていましたか?」という質問辺りから、様子が変わり始める。「プレッシャーは、あったよー。」と答える亀田の目は潤んでいた。

前回みたいに「疑惑の判定」と言われないよう、圧勝することを強いられていた亀田にとって、プレッシャーの大きさは半端なものじゃなかったと思う。安堵感を感じている顔に見えた。

お父さんに対するコメントを求められると、堰を切ったように涙が溢れ出した。「親父が壁になってくれたから…うっ、うっ」と言葉になっていなかった。度重なるバッシングに対し、体を張って守ってくれた親父に対する想いがこみ上げてきたのだろう。

今まで、亀田興毅自身はバッシングに対して、「勝手に言わしたったらええねん。」と余裕を見せるコメントを繰り返してきていた。しかし、今回の涙からは、強気のコメントが悪ガキのキャラを守る為に演じてきたものだと想像することが出来る。

まとめ(感想)

ダウンを予感させるような展開が見られず、全体的に単調な内容だった。ボクシングのタイトル防衛戦としては、よくある感じの試合内容だが、豪快なKOシーンを見せ付けてきた今までの亀田の試合とは全く異なった。

個人的には、やはりどちらかのKO勝利による決着を期待していたので、今回の判定による勝利は少し残念な結果に思える。

前回の試合の時には、審判に対する買収疑惑なども騒がれた。日本に近いアジアの「韓国」と、ベネズエラに近い中米の「パナマ」から1人ずつ選ばれていたことも原因の1つとなっている。

そこで今回は、前回以上に中立な判定が行えるよう、選手とは全く関係のない第三国(ヨーロッパ、北米、アフリカ)からジャッジが選ばれた。また、レフェリーは、WBA審判部長のパボン氏が努めることになった。「疑惑の判定」と言われ、信用を欠いたWBA側も必死なのだ。

KO決着ではないが、亀田が終始主導権を握っていた試合だった。これで、亀田関係者に対する疑惑は解消されたのだろうか。

「勝っても負けても疑惑は残る。」という意見も、ネット上の書き込みなどで見たことがある。今後の世間の反応が楽しみだ。まだ、亀田の話題はなくなりそうにない。

亀田興毅の初防衛戦の視聴率(06.12.21 追加)

ビデオリサーチによると、関東地区での「亀田興毅の初防衛戦」の平均視聴率30.1%、同じく関東地区での瞬間最高視聴率は試合終了直後で38.4%だったようだ。

また、亀田興毅の地元である関西地区では、平均視聴率が32.8%、瞬間最高視聴率が44.3%と、関東地区に比べて高い数字となった。

因縁の対決と騒がれていた再戦だけに、高視聴率を出すことは予想できた。ただ、もう少し高い数字を出すだろうと考えていたので、意外と伸びなかったという印象である。試合内容が万人の楽しめるものじゃなかったからかも知れない。

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